英語教育、その未来。

アメリカ インテル社の創設者の一人、ゴードン・ムーアが集積回路上のトランジスタ数(≒コンピュータの処理能力)は「18か月ごとに倍になる」といいました。これをムーアの法則といいます。

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このムーアの法則によると、コンピュータのトランジスタの数が人間の脳細胞の数に追いつくのが、2018年頃だと言われています。しかし、コンピュータは脳と違って複雑な計算ができないので、まだまだ人間の代わりに面倒で複雑な問題を解決してくれるという様にはならないだろうと思います。ただ、コンピューターの処理能力や速度が人間の脳に近づいていっているのは確実です。
この法則を身近かつ実用的な例であてはめてみると、スマートフォンがより高性能になり、しゃべると翻訳してくれるアプリなどが、高速になり巨大な言語データベースと相まって、より正確になるんだろうと思います。

では、もし近い将来にスマートフォンなどのデバイスで、より高度な翻訳などが可能になるとすれば、もう英語やその他の言語など勉強する必要はないのでしょうか。

答えはもちろん「ある」です。
理由はスピード、情報量、説得力なんだろうと思います。
いくらコンピュータの計算処理能力があがっても、入力と出力のタイムラグがある分、自分で話した方がはるかに早いです。
そして、実際に話し手を目の前にして表情を見ながら話しをすることは、例え話し手が完璧に話していなくても、ある一定のレベル(決して高いものではありません)に達していれば、得られる情報量は圧倒的に多いです。
そして、これが一番大事なんですが、スピードと情報量に加えて話し方や声のトーン、表現の仕方など、たとえ拙くても情熱や思いを自分の言葉で伝えることで、聞き手の心を動かすことができます。
スマートフォンなどを使ってコミュニケーションを取る人が増えれば増えるほど、自分の言葉でペラっと話す人は光って見えます

国連高等弁務官やJICA理事長などを歴任する緒方貞子さんは、若い頃から英語が堪能だったようですが、国連高等弁務官になった60歳近くになってから毎朝フランス語を学び、退任する頃にはフランス語でスピーチをするまでになったといいます。彼女にとっては3つ目の言語でありましたが、例えそれが第二言語であっても、何歳であったとしても言語を習得することは可能ですし、自分で話すことによってしか伝わらないことがあるはずです。

自分の言葉で世界に発信してみませんか。いま方法は無限にあります。世界で最も多様な人々が話す言語の英語で、思いや情熱、自分が信じることをぜひ自分の声と言葉で伝えてみてください。きっと相手に伝わったという実感の前に、自分の中で何かが変わると思います。

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